ある日突然
なぜうちの子が…
わが子に降りかかった災難が、わが子をそして家族をもまるで深い霧がかかったかのように…
出口の見えないトンネルに入ってしまうような、そんな状況に追い込まれていく。
昨日までは元気だった、笑っていた、その子があの一瞬から変わってしまった。
私たち、後天性脳損傷の子どもをもつ親の会(アトムの会)は同じ境遇にある家族たちが語り合い、共に泣き、励まし合い手を取り合って情報を共有し、学び合い、社会に働きかけていこうと2001年5月29日に発足しました。
アトムの会には
急性脳症、インフルエンザ脳症、低酸素脳症、脳内出血、交通事故、脳梗塞や転落事故、スポーツ事故など
様々な経験をされた幼児から成人されたお子さんをお持ちの保護者の方が登録しています。
当事者の家族の方々を中心に神奈川リハビリテーション病院の小児科の栗原まな先生をはじめとする病院スタッフの方々や
多くの先生に支えていただき、年に三回、神奈川リハビリテーション病院を会場に定例会を行っています。
定例会には学生の家族の参加が多く、先を行く方々の体験談やアドバイスが生きた情報として提供されています。
笑いあり、涙あり、怒りあり…普段なかなか理解されない一方通行な気持ちが同じ境遇の仲間がいることで解放され
行き来し「ひとりじゃない」とお互いを支える場となっています。
Aさん 19歳 男子
受傷5歳
感染症からの心肺停止。
蘇生に時間がかかったことから低酸素脳症に。
後遺症として四肢体不自由(クロウハンド、尖足)
高次脳機能障害、てんかんが残る。
小・中学校時代 支援員さん付きで通常級所属。
公立商業高校を卒業後、
障害者雇用枠にて公務員として勤務中。
大変なことも多いですが、本人の中ではこれが俺でしょ?!という姿勢に親の方がたくさんのことを教えてもらいました。
だからこそ私はそのサポートをしていこうと、息子のサポーターを増やしていこうと奮闘してきました。
今でもたくさんの方々に関わっていただき、よい影響をいただいています。
Bさん 18歳 女子
受傷2歳
交通事故で頭を打ち
てんかん、高次脳機能障がいの後遺症が残る。
小・中学校 支援級に在籍。
県立高校卒業後、医療事務を学ぶため短大に進学。
記憶が弱い面もありますが、反復練習で習得しています。
短大に入り、交通機関を使い通学をしています。始めてのことが多い中、お友達とさまざまなことを経験し、とても成長しています。
これまで、壁が出てきても多くの方に支えられて、頑張って乗り越えてこれたのでこれからも大丈夫だと思います!
Cさん 18歳 女子
3歳の時インフルエンザ脳症により後遺症
知的障害 高次脳機能障害 てんかん
小学校2年生より 支援級在籍
中学校支援級在籍
県立支援学校卒業後
就労継続B型支援事業所に4月から通っている。
記憶障害 注意障害 脳神経疲労に悩む
受傷後間もない頃からいろんな経験をさせてきました。
体操教室、ピアノ、バレエ教室、油絵教室、テニスなど。
ハンディがありながらも今後も楽しめることを探しているところです。
苦労も多々あり、前向きになれない時期もありましたがいろいろな仲間との出会いでここまでやってこれました!
仲間との出会いは宝です。
Dさん 14歳 男子
受傷10歳
原因 交通事故での脳損傷
後遺症として右上肢・右下肢(短下肢装具使用)の麻痺と高次脳機能障害が残る
退院後は肢体不自由の特別支援学校に転校
中学も同じ特別支援学校の中学部に進学し現在中学3年生
受傷から3か月以上たってから手の震えが出る。
震えは収まらず、利き手変更を行う。
記憶力が低下。覚えるのに時間がかかり、忘れやすい。
集中力の持続が難しい。
記憶違いが多く、そのことからトラブルが起こりやすい。
精神的に幼く、些細なことで怒りやすい。
実年齢のプライドはあるので、簡単なことほど自分からサポートを頼めない。
また、サポートされることで馬鹿にされたと怒ることもある。
兄に引きずられ、精神的に幼くなった妹と、些細なことで毎日何度も喧嘩をしている。
色々なことで悩み、落ち込み、それでも少しずつできる事が増えたことを喜びながら、もう3年半が経ちました。
たくさんの人に応援してもらい、今の息子があります。
妹と適度な距離を取れるようになること、自分から周りの人にサポートを頼めるようになることが今の目標です。
Eさん 11歳 女子
2階の窓から外への転落事故。
右脳のほぼ全てを損傷。左片マヒ、知的障がい、高次脳機能障がい、てんかん等の後遺症が残る。
3歳から幼稚園、療育を利用。
小学校 支援級に在籍中。
多動があり、幼い頃は落ち着いているのは寝ているか抱っこ中のみ…という状態でしたが、娘なりに成長し、追いかけることも減って落ち着いてきました。
悩みや落ち込むことも多くありますが、沢山の方々の助けや娘の明るさを支えに過ごしています。
娘が「笑顔でいられる」ことを一番に、これからもサポートしていきたいです。
問い合わせ先 mail : jun7269@t.vodafone.ne.jp 代表 齋藤 純子